誰もが未来に
希望を持てる社会を目指して

丸一フレッド記念財団 設立のご挨拶

このたび、私たちは「丸一フレッド記念財団」を設立いたしました。

本財団の名称には、二人の偉大な祖父の歩みと志が込められています。

「丸一」は、戦前から戦後にかけて大分県竹田市にて、私の父方の祖父が立ち上げた小さな会社の名です。酒類の販売をはじめ、創意工夫を凝らした商いを通じて、地域に根ざした生き方を貫いたその姿勢は、今も私の心に深く刻まれています。竹田市は当時、物資も乏しく、生活の厳しさが日常であったと聞いています。そのような環境の中でも、祖父は希望と知恵をもって道を切り拓きました。

「フレッド」は、母方の祖父の名に由来します。彼は熊本県天草の出身で、こちらもまた自然豊かでありながら、当時は経済的に恵まれた土地ではありませんでした。1933年、アメリカ大統領になると夢を語りシアトルへ渡った彼は、第二次世界大戦を経て移民としての人生を歩み、1961年にロサンゼルスでその生涯を閉じました。異国の地で希望を抱き続けたその精神は、私たちに挑戦と前進の勇気を与えてくれます。

私自身もまた、両親の苦労の上に育てられました。九州の貧しい地から東京へ渡った両親は、決して豊かな生活ではなかったものの、私ども兄弟を懸命に育ててくれました。そのおかげで私は高校・大学時代に奨学金をいただき、海外の学校に留学する機会を得ることができました。その経験が、今の私を形づくる大きな礎となっています。

本財団は、こうした先人たちの志と苦労を受け継ぎ、日本の養護施設などへの支援を通じて、未来を担う青少年の育成に寄与することを目的としています。

そして私は、人生の節目で受け取った多くの「恩」を、次の世代へと送り届ける「恩贈り」のような活動を、この財団を通じて実現していきたいと願っています。

小さな一歩ではありますが、確かな志をもって歩みを進めてまいります。

今後とも、皆様の温かいご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

一般財団法人 丸一・フレッド記念財団
代表理事(理事⻑) 佐藤 秀樹

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